Perl/CGIプログラムの変数の種類
今回は、Perl/CGIプログラミングで使用する変数の基礎について学習していきましょう。
編集前記
今回は、CGI(Perl)プログラミングで使用する変数の種類と使い方についてのお話です。
まずは、「変数とは何か?」を解説する前に…。
そもそも「プログラムとは何ぞや?」という混沌とした疑問から切り込んでいきましょう。
なんとなくわかるんだけど、はっきりとはわからないという人が多いと思うこの疑問。
プログラミングの入門書などを読んでも、そもそも「プログラムとは何か?」というところから解説している書籍が少ないので、当然と言えば当然の疑問なのですが…。
この連載では、ここでこの大きな疑問に対して結論を出しておきましょう。
プログラムとは、コンピューターが参考にする命令実行手順書のようなものです。
何か一つコンピューターに実行させたい命令があったとして、作成するプログラムというのは、その命令を達成させるために必要な動作手順が順に書かれたマニュアルにあたります。
動作手順書ですから、ひとつでも理不尽な動作が指定されていたり、正しい順序でなかった場合は、その動作手順書であるプログラムは、コンピューター側に認められずエラーとなります。
かなり適当ですが、これがプログラムですね。
そして今回のテーマでもある変数とは、動作手順書に登場する入れ物全般にあたります。
わかりやすさを意識しなければ、「変数とは、プログラムが処理中に使用するデータの記憶領域を表したもの」だと言い換えることができます。
プログラムでは、このデータの入った変数に対して、さまざまな処理をかけていきます。
このような概念に触れたところで、次はもっと詳しく、変数について学習していきましょう。
変数とは?
変数とは、文字や数値などを自由に格納したり、格納した数値や文字を操作することのできる入れ物全般だと前述しましたね。
変数には、ユーザーが入力した値はもちろん、外部ファイルやデータベースの内容など、ほぼすべてのデータを格納することができます。
入れ物全般ですから、入れるものによって、時にコップだったりひきだしであったり、ダンボール箱であったりするわけですが…。
変数の利点
変数を使用する利点は、同じタイプのデータ軍に対してプログラム側で指定して処理をかけることにより、値そのものが変わっても、その結果を瞬時に得られるというところにあります。
同じタイプのデータ軍とは処理をかけるプログラムにより、数値データとか文字データなどといったような決まった性質のデータを指しています。
この同じタイプのデータ軍を効率的に扱うために、変数を使用するわけですね。
もっとわかりやすく解説すると…。
この変数には数値しか代入しない、もしくは、決まったパターンの数値しか代入しないようにする。
この変数には文字しか代入しない、もしくは、決まったパターンの文字列しか代入しないようにする。
などといったことですね。
例えば、何らかの数値を代入するための「A」という名前の変数があったとします。
この変数「A」に、数字の「1」を入れたとします。
その後のプログラム処理で、変数「A」にプラス「1」したとします。
すると、変数「A」の中に格納されている数値は、1+1で2となるわけです。
もし最初に変数「A」の中身が「3」とか「8」だった場合には、それに応じた答えを得ることができることがわかりますよね。
始めっから1+1とわかっているなら、変数は必要ないです。
これが変数を使用する利点です。
プログラムで処理する値が変化する可能性を持っている場合に、変数を使用し、特定の処理に対して汎用性を持たせるわけですね。
Perl変数の特徴
Perlというプログラミング言語は、プログラミングしやすいような工夫がたくさんあります。
前回の記事 で解説しました、プログラムコードだけで動作するという仕組みもそうですし…。
今回の変数の扱い方についても、なるべく簡単に扱えるように工夫されています。
とはいっても、Perl/CGIが初めてのプログラミング学習だという人の方が多いと思うので…。
ほかのプログラミング言語と比較しながら、Perl変数の扱いがどれだけ扱いやすいものであるのかについて解説していきましょう。
昔C言語というプログラムを使っていたのですが、この言語は格納するデータの種類によって使える変数の種類が決まっていたので結構ややこしかったです。
例えば、正数を格納する変数、小数を格納する変数、文字を格納する変数などなどありましたからね。
「変数の型」といって、一言で変数といっても格納するデータタイプによって使用する変数の種類を使い分ける必要がありました。
C言語を学習する上での1つのポイントでした。
さらにC言語では、変数を使用する前に「変数の宣言」という作業がありました。
これは文字通り「今後この型で、この名前の変数を使うよ」ということを、コンピューターに提示する作業です。
これは、コンピューターの処理の手順から解釈すると、「変数の宣言=データ記憶領域の確保」と考えれば、自然な流れだと言えるでしょう。
しかしそれはあくまでもコンピューター側の目線に立った時の話であって、プログラムを作る側としては宣言してからでないと変数が使えないというのは結構不便ですよね。
それに比べてPerlの変数というのは、C言語の変数に比べて扱い自体がものすごく簡単です。
まずは、Perlの変数には、「型」という概念はありません。
格納するデータが、正数だろうが小数だろうが文字であろうがすべて同じ型の変数が使えます。
それだけではなく、Perlの変数にはC言語のように、前もって使用予定の変数を宣言しなくてはいけないというルールもありません。
Perlプログラムでは変数を使用したいときに、いきなり変数名を書いてそのまま数値や文字を格納することができるのです。
Perlプログラムの変数というのは、C言語からプログラミングをやってきた人にとって、不安になるぐらいアバウトな世界です(笑)。
まぁ裏を返せばそのぐらい、プログラマーに使いやすい工夫をしているということでしょうけど…。
これがPerlの裏語源、「Pathologically Eclectic Rubbish Lister」病的折衷主義のがらくた出力機と呼ばれている理由の一つですね(苦笑)。
Perl変数の使い方
ここでは、変数の使い方とその種類についての解説をします。
Perl/CGIプログラムで変数を使用するには、変数の種類を表す記号を頭につけてから、変数名を記述するだけです。
Perl/CGIプログラムの変数の種類には、以下のものがあります。
単純変数
単純変数を使用するときは、「$」を頭に付けてから、変数名を記述します。
変数名が「a」の場合「$a」となります。
単純変数は、スカラ変数とも呼ばれ、単一の箱といったイメージです。
配列変数
配列変数を使用するときは、「@」を頭に付けてから、変数名を記述します。
変数名が「a」の場合「@a」となります。
配列変数は、複数のスカラ変数が番号順につながった変数です。
ちょうど、冷蔵庫に入っている小さな氷を作るときに使用する、長細いケースのようなイメージです。
あれってケース自体は長細いですが、中は間仕切りがしてあって、小さなスペースがつながっていますよね。
配列変数のイメージもあんな感じです。
連想配列
連想配列を使用するときは、「%」を頭に付けてから、変数名を記述します。
変数名が「a」の場合「%a」となります。
連想配列は、ハッシュ配列またはハッシュ変数とも呼ばれ、配列変数と同じようにスカラ変数の塊です。
配列変数との違いは、番号順に変数が並んでいるわけではないというところです。
ちょうど、贈物用などの食器セットのようなイメージです。
特に、紅茶やコーヒー用の食器セットを思い浮かべていただければわかりやすいと思います。
あれっていろんな形の食器がありますが、どれもデザインが統一されていて、バラバラで使っても一目でセットの食器だったことがわかりますよね。
連想配列もそんなイメージです。
Perl変数名のきまり
次は、変数名をつけるうえでの決まりについての解説です。
Perlプログラミングで使用する変数名は、英字「a~z」「A~Z」または、アンダースコア「_」で始めるのがきまりです。
それらの文字に続いて、英字、アンダースコアまたは、数字「0~9」が続く単語が指定可能です。
例えば使用可能な変数名としては…。
「$abc」
「$a01」
「$_a1」
といった感じですね。
逆に使用できない変数名としては「$001」ですね。
なぜなら、「$」の後が数値で始まっているからです。
さらに、変数に使用できる文字数の指定は特にありませんが、大文字、小文字は区別して扱われますから注意が必要です。
つまり変数「$abc」「$ABC」「$Abc」では、すべて違う変数として扱われるということですね。
Perl/CGIプログラミングで使用する変数の概要は以上です。
次は、Perl/CGIプログラミングで使用する変数の種類について、詳しく解説していきます。
単純変数(スカラ変数)について
まずは、単純変数についての解説からです。
前述したように単純変数を使用するときは、頭に「$」をつけた後に変数名を記述します。
単純変数(スカラ変数)の代入
単純変数には、数値でも文字でも代入できます。
ここで、単純変数に何かを代入して見せる前に、変数に文字や数値を入れる代入のルールについて説明しておきます。
Perlプログラミングに限った話ではないですが、プログラム上である変数に対して何かを代入するには「=」を使用します。
そして「=」の左には常に、代入される側の変数がきます。
「=」の右には常に、代入する側の変数や数値・文字などがきます。
数学で使用する「=」とは、少し意味が違うので覚えておきましょう。
単純変数「$a」に数値「10」を代入するには、「$a = 10;」と記述します。
単純変数「$b」に文字列「abc」を代入するには…
「$b = "abc";」または「$b = 'abc';」と記述します。
文字列を代入するときは、ダブルクォーテーション「"」または、シングルクォーテーション「'」ではさみます。
違いについては後述します。
変数同士を代入することもできます。
$a = 100;$b = "XYZ";
$b = $a;
この場合は、結果としてどちらの変数にも「100」が代入されることになります。
「$b = "$a";」と書き換えることもできます。
「"」ではさむと代入時に変数「$a」を展開し、格納されている「100」を代入してくれます。
これに対して、「$b = '$a';」と記述してしまうと、変数ではなく「$a」という文字列そのものを代入してしまうので注意しましょう。
以下のような代入方法もありです。
$a = $b = 100;これも、両方の変数に「100」が代入されます。
単純変数(スカラ変数)の表示
続いて、単純変数を出力(表示)させてみましょう。
前回の記事でも解説したように、Perlプログラムで何かを出力するときは、「print」命令を使用します。
つまり、変数に数値や文字を代入し、「print」命令で表示させるわけですね。
print命令を使って変数の中身を表示させたいときは、ほとんどの場合でダブルクォーテーション「"」ではさみます。
これは、先ほど解説しました変数同士の代入方法と同じ理屈です。
$a = 50;print "$a";
「50」と表示されます。
表示させたいものが変数に代入したもののみである場合は、ダブルクォーテーション「"」ではさまなくても表示させることが可能です。
$a = 60;print $a;
「60」と表示されます。
「"」を使う利点としては変数の中身を表示できるというだけではなく、前回解説したような「\n」などのエスケープ記号や、ほかの文字列なども一緒に表示させることができるというところです。
前回の復習を兼ねて「\n」について解説すると、「\n」とは、改行コードを表す専用の文字列です。
「\n」を「"」ではさんで「print」文で表示させたり、何らかの変数に代入させると、「\n」は改行を表すコードとして認識されます。
ちなみに「\n」を改行コードとしてではなく、「\n」そのものとして扱わせたい場合は、「"」ではなく「'」ではさみます。
変数に代入した数値や文字ではなく、変数名そのものを表示させたいときと同じですね。
$a = 200;print '$a';
「200」ではなく「$a」と表示されるので注意しましょう。
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配列変数について
配列とは、番号の付けられた単純変数を連続的に並べて扱ったデータ形式のことです。
配列1つ1つを構成している単純変数をその配列の要素といい、それらは添字という名の数字が付けられています。
配列は、一度にたくさんの変数を使いたいときに使用します。
もし配列を使用しないで、単純変数のみで大量のデータを扱うプログラムを作成するのは大変です。
仮に単純変数が百個必要だった場合、「まずは、一つ一つわかりやすい名前をつけて…」などとやっていられませんよね。
そんなときは配列を使用して、百個でも二百個でも一瞬で変数を用意し、ひと固まりのデータとしてまとめて操作してしまいましょう。
それができるのが配列変数です。
配列変数を使った代入
配列変数も、基本的には単純変数と同じ感覚で使えます。
配列変数の初期化
いきなり配列に数字や文字を代入してもいいのですが、配列変数を使うときは、最初に初期化しておくのがお約束です。
初期化とは、中身を一度空にすることです。
ここで言う初期化とは、配列変数「array」に属する単純変数のすべてを空にすることです。
@array = ();配列変数である「@」を頭に付けて、その後に変数名「array」を宣言しています。
変数に何かを代入するために「=」を付けて、配列変数「array」に属する単純変数をすべて初期化するために、「()」を使っています。
これは、Perlの配列変数のルールみたいなものですから、このまま覚えておくと便利ですよ。
配列全体への代入
初期化をしないでいきなり配列に数字や文字を代入するときは、以下のように書きます。
@array = (1, 2, 3, 4);@week = ('Sunday', 'Monday', 'Tuesday', 'Wednesday', 'Thursday', 'Friday', 'Saturday');
「@array」には、4つの変数が作成され、「1」から「4」までの数字が代入されます。
「@week」は、7つの変数が作成され、「Sunday」から「Saturday」が代入されます。
配列要素への代入
配列というまとまった変数に処理をかけるのではなく、配列変数を構成している1つ1つの単純変数にフォーカスして処理をかけるということもできます。
配列の要素一つ一つに、数字や文字を代入する場合は、添字を使用します。
添字とは、配列変数を構成している1つ1つの単純変数に付けられた識別番号のことです。
配列の一つの要素のみに処理を加えたいときは、配列名に使用する「@」を「$」に変えて、何番目の配列の要素に処理を加えるのかを宣言する「添字」を付けます。
添字は、0からはじまる連番の数字で表現されます。
例えば、先ほどまとめて代入した「@array」と同じ処理を一つ一つの変数に分けて行うときは、以下のように書きます。
@array = ();$array[0] = 1;
$array[1] = 2;
$array[2] = 3;
$array[3] = 4;
配列の添字が0からはじまっていることに注意してくださいね。
添字が「0」からはじまるというのも、配列変数の決まりです。
つまり、「添字が「0」から始まるのはなじみがないから…」などという理由で、添字を「1」から始まるように設定を変更するということはできないということです。
むりやり配列の添字を1や10から始めることもできますが…。
しかしコンピューターは、配列が使用されるとわかったとき、いきなり添字が10でも、0から順に変数データを扱える領域をメモリ上に準備します。
なので、もし使わなかった場合はメモリの無駄使いになるわけです。
配列変数への代入小技
Perlプログラミングの配列変数の代入技として、ちょっとおもしろいパターンがあるので、いくつか紹介します。
使用する機会はあまりないですが、こんな書き方でも配列への代入ができるという一例として覚えておくと役に立つかもしれません。
気に入った場合はぜひ、使うチャンスがあったら使ってみてください(笑)。
まずは、一見配列全体に処理をかけているように見えて、実はじみに添え字を使って、ピンポイントで代入をしている例です。
@array[1, 2, 3, 4] = (10, 20, 30, 40);配列「@array」の先頭の要素($array[0])は未定義になり、二番目の要素($array[1])から代入されます。
前述したメモリーの無駄使いの一例ですね(苦笑)。
今度は、もう少しスマートにしてみました。
@array[0..2] = (10, 20, 30, 40);「[0..2]」このように、宣言する配列の要素数を省略することもできます。
この場合では、「@array」の要素は三つで、最後に代入しようとしている「40」は無視されるので注意です。
一つ目の要素、「$array[0]」には「10」が代入されます。
二つ目の要素、「$array[1]」には「20」が代入されます。
三つ目の要素、「$array[2]」には「30」が代入されます。
配列同士の代入
続いて、配列同士の代入処理を紹介します。
@array = @week;「@week」の複製「@array」を作成します。
このとき、「@array」の大きさは、「@week」にあわせられます。
配列変数からの代入
次に、配列から単純変数へ代入する方法について説明します。
今までは何らかの変数や値を配列へ代入していましたが、ここではその逆をします。
@week = ('Sunday', 'Monday', 'Tuesday', 'Wednesday', 'Thursday', 'Friday', 'Saturday');($day1, $day2, $day3) = @week;
「@week」の要素の順に、変数に代入されます。
変数「$day1」には、「Sunday」が代入されます。
変数「$day2」には、「Monday」が代入されます。
変数「$day3」には、「Tuesday」が代入されます。
しかし、配列の途中の要素から代入したいときもあると思います。
そんなときは、以下のように書きます。
($day1, $day2, $day3) = @week[2..4];このように書くと、「@week」の三番目の要素から、五番目の要素までが、それぞれ変数に代入されます。
変数「$day1」には、「Tuesday」が代入されます。
変数「$day2」には、「Wednesday」が代入されます。
変数「$day3」には、「Thursday」が代入されます。
要素の分析
配列変数名の頭に「@」ではなく、「$#」を使用すると、その配列で使用している最大の添字を参照する事ができます。
最大の添字とは、その配列で使われている最後の要素に付けられた番号のことです。
例えばこんな感じです。
@week = ('Sunday', 'Monday', 'Tuesday', 'Wednesday', 'Thursday', 'Friday', 'Saturday');$max = $#week;
変数「$max」には、「6」が代入されます。
添字というのは「0」から始まっているので、配列を構成している単純変数の数より1少なくなるので注意しましょう。
もし、配列を構成している単純変数の個数を調べたい場合は、「$#week+1」ということになります。
でもPerlプログラミング的に、あまり美しくないですよね(苦笑)。
もちろん、全然これでよいのですが…。
でも、せっかくなら配列を構成している単純変数の数を、一発で求めてみたいですよね。
そんなときには、以下のように記述します。
$total = scalar(@week);変数「$total」には「7」が代入されます。
配列変数を使った表示
次は、配列変数とprint関数を使って、格納されているデータを出力(表示)させてみましょう。
配列変数の出力(表示)は、基本的に単純変数と同じです。
違うところを挙げるなら、配列変数の出力の場合はプログラミング方法によっていくつかのバリエーションがあるといったところですね。
では「print」関数を使って、配列変数を出力(表示)させていきます。
いちいち配列に文字を代入していくのがめんどくさいので、前提条件として、あらかじめ配列には以下の文字列が代入されているものとします。
@week = ('Sunday', 'Monday', 'Tuesday', 'Wednesday', 'Thursday', 'Friday', 'Saturday');配列全体の表示
まずは、配列全体を出力させるには、以下のように書きます。
print @week;単純に配列「@week」を構成している変数の中身をすべて表示させることができます。
例えばこんな感じ(長いので途中省略)。
「SundayMondayTuesday・・・Saturday」
ただ配列の中身を表示させただけですが、すべてがつながっていてみづらいですよね。
そこで、表示方法をちょこっと変えるだけで、配列の中身を見やすく表示させることができます。
print "@week";出力(表示)させる配列変数「@week」を「"」で囲っています。
こうすることで、ただ配列変数「@week」の中身をすべて表示させるだけでなく、1つ1つの要素ごとに、半角の空白が自動挿入された状態で表示されます。
例えばこんな感じ(長いので途中省略)。
「Sunday Monday Tuesday ・ ・ ・ Saturday」
ちょっと見やすくなりました。
配列名の表示
次は、配列名そのものを表示させてみます。
print '@week';もうお決まりのパターンになっている気がしますが…。
「'」ではさむと、配列に代入されている文字ではなく、配列名が表示されます。
つまり「@week」と表示されるということですね。
配列要素の表示
次に、配列「@week」を構成している要素を選んで表示させてみましょう。
前述してきた方法だと配列変数「@week」のすべての要素が表示されてしまいますが、この方法を使うと、一部の要素のみ表示させることができます。
print $week[1];配列変数の代入方法と同じ感覚ですね。
添字を使うことで配列変数全体ではなく、配列を構成している1つ1つの変数を、ピンポイントで指定し表示することができます。
ちなみに「Monday」と表示されます。
次も同じく、添字を使って配列変数の一部分を表示させるのですが…。
今度はピンポイントではなく、もう少し幅広く指定し表示させてみましょう。
print "@week[2..4]";これも前述してきた、配列変数の代入方法と同じ感覚です。
さらに「"」で囲まれているので、それぞれの要素の間には、自動的に半角空白(半角スペース)が入ります。
こんな感じで表示されます。
「Tuesday Wednesday Thursday」
配列の分析表示
次に、配列変数「@week」を構成している最大の添字を表示させるには、以下のように書きます。
print $#week;「6」と表示されます。
最後に配列変数「@week」を構成している変数の数(要素数)を表示させるには以下のように書きます。
print scalar(@week);「7」と表示されます。
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連想配列(ハッシュ配列)について
連想配列とは、わかりやすく説明すると添え字を文字列とした配列のことです。
配列の番号を表した添え字部分を、今回説明する連想配列では、文字列で表現しただけの話です。
でも、数字が文字に変わるだけの話なんですが、前述した配列とは使用用途が変わってきます。
配列の場合は添え字部分の数値を軸に、先頭から規則正しく処理させることが目的で使用する場合が多いです。
というか、それが配列変数の大きな特徴であり利点ですよね。
それに対して連想配列は、添え字部分に使用されている文字列をキーとして、目的別に直接呼び出して使用する場合が多いです。
つまり、連想配列名と所属するキー名を指定することにより、そこに格納されている値を操作するわけですね。
連想配列(ハッシュ配列)への代入
Perl/CGIプログラミングにおいて連想配列を使うときは、変数名の頭に「%」を付けます。
連想配列(ハッシュ配列)の初期化
連想配列も前述した配列変数と同じように、最初に呼び出したときは変数全体を初期化するのがお決まりのパターンです。
%list = ();連想配列の初期化も、配列変数と同じように「()」を使って変数全体を初期化します。
連想配列(ハッシュ配列)全体への代入
連想配列全体にまとめてキーと値を代入するには、以下のように記述します。
%list = ('name', 'taro', 'email', 'taro@taro.com');キー、値、キー、値の順で代入していきます。
この場合のキーとは、「name」と「email」です。
値は、「taro」と「taro@taro.com」です。
いまいちわかりにくいと思う方は、こんな書き方もできますよ。
%list = ('name' => 'taro', 'email' => 'taro@taro.com');キーと値を、「=>」でむすんでいます。
結果は同じですが、こちらの方がわかりやすいですね。
連想配列(ハッシュ配列)個別への代入
次は、同じ連想配列への代入ですが、今度は個別に処理させる方法です。
配列のときは、個々の変数を区別するときに使用した添え字を「[]」ではさみました。
連想配列(ハッシュ配列)の場合は、添え字の替わりにキーとなる文字列を、「{}」ではさみます。
連想配列所属の変数に値を代入するには、以下のように書きます。
$list{'name'} = 'taro';$list{'email'} = 'taro@taro.com';
このように、簡単なデータベース感覚で使用することができます。
連想配列は代入する値によって、キーの名前を変えます。
ここで言う連想配列のキーとは、「name」や「email」のことです。
配列でも同じことができないこともないですが…。
その場合は、「添字1が名前」「添字2がメールアドレス」などと決めておいて、プログラマー側でそれらの規則を覚えておかなくてはいけません。
それはすごく大変ですよね。
想像しただけで「ゾッ」としませんか?
詳しくメモしておかない限り、後からプログラムコードを見直したとき、きっとどの添え字が何を表しているかわからなくなっていることでしょう(苦笑)。
そんなときは、連想配列を使用して、頭の中とプログラムコードをスッキリさせましょう。
連想配列(ハッシュ配列)の表示
Perl/CGIプログラミングにおいて、連想配列を出力(表示)させるためには「print」命令を使います。
もう、お決まりのパターンですね。
大きくは、今まで説明してきた方法と同じです。
表示方法を解説する前提条件として、連想配列には以下の値が代入されているものとします。
%list = ();$list{'name'} = 'taro';
$list{'email'} = 'taro@taro.com';
連想配列(ハッシュ配列)全体の表示
連想配列をまとめて表示させるときは、以下のように書きます。
print %list;「emailtaro@taro.comnametaro」と表示されます。
連想配列に格納されているキーと値が、すべてつながった状態で表示されます。
配列変数のように、連想配列を「"」ではさんでも、見やすく表示はされませんので注意しましょう。
連想配列(ハッシュ配列)個別の表示
連想配列のキーを正しく指定すれば、ピンポイントで表示させることができます。
print $list{'email'};「taro@taro.com」と表示されます。
編集後記
Perl/CGIプログラミングで使用する変数の基本は以上です。
じっくり読んでいただければわかると思いますが、変数の種類が違うだけでやっていることはほとんど同じなので「分量のわりには楽だったんじゃないかな?」などと個人的には思います。
ただ、今回学習した変数の使い方というのはあくまでも基本です。
変数の応用技として、外見はスカラ変数でも、中身は配列変数や連想配列という、今まで解説してきたものをすべてごちゃまぜにしたような変数の使い方ができるものがあります。
まぁこれは、今の段階ではまだ必要ないので、まずは基本をしっかり押さえておきましょう。
基本ができて初めて応用技が生きてきますから、そのときになったらこの連載でイヤというほど解説します。
その時を、お楽しみに!
それはそうと…。
配列変数や連想配列は、「while」や「foreach」などのループ処理(くりかえし処理)と一緒に使用することがほとんどです。
なぜならプログラムによっては、数十数百になるかもしれない配列変数や連想配列を、繰り返し処理で一気に操作する場面というのが多々あるからです。
配列変数と連想配列を効率的に使うためには、くりかえし処理(ループ処理)を学習するのが必須です。
ということで、次の記事ではループ処理を学習していきましょう。
すばらしくスムーズな流れで次回予告が終了したところで、今回は以上です。
ありがとうございました。
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