全盲でも初音ミクで作曲する方法
このページでは、視覚障害者が初音ミクなどのボーカロイドエディタを使って歌を作っていく方法を解説します。
全盲のスクリーンリーダーユーザーでも問題ありません。
それでは具体的に説明していきましょう。
演奏データ作成
各楽器演奏はMIDIファイルで作ります。
前述のように、マウスを使って五線譜の上に音符をクリックしていくタイプのMIDI作成ソフトは使えません。
なので、メモ帳などのテキストデータからMIDIファイルに変換するソフトウェアを使います。
初音ミクの歌データ作成
初音ミクの歌データを作るには、通常ボーカロイドエディタを使います。
しかし、これもマウスのクリックで音程などを指定するようになっているため、残念ながらスクリーンリーダでは使えません。
なので、2つのステップに分けて作ります。
まずは、ボーカロイドエディタの保存ファイルであるところのVSQ形式のデータを別のソフトウェアで作成します。
これはMIDIファイルのときと同様、メモ帳などのテキストファイルからVSQ形式のデータに変換するという方法をとります。
つぎに、完成したVSQファイルをボーカロイドエディタに読み込ませて初音ミクの歌の入ったWAVファイルを作ります。
これは、ボーカロイドエディタのメニュー画面からできるので、マウスは使わずキーボードのみで操作できます。
音を合わせる
最後に楽器演奏のMIDIファイルと、初音ミクの歌うWAVファイルを合わせます。
見えている人であれば、ミキサー的なソフトウェアを使って音を合わせていくのが常套手段です。
しかしこれも、マウスで操作するものが多く、スクリーンリーダーでも使えるというのは少ないです。
なので、スクリーンリーダーでもなんとか操作できるサウンド編集ソフトを紹介しておきます。
- Audacity
- 「Audacity」は、無料で使えますが、パソコン苦手な人や、たくさんのショートカットキーを覚えるのが面倒だというぼくみたいな人にはあいません。
- RadioLine
- 「RadioLine」は、無料で使えますし、わりと直感的な操作ができます。
- しかし、これはぼくの環境だけなのかもしれませんが、このソフトを終了させようとすると、なぜか終了できないというトラブルが頻発しました。
- WavePad
- 「WavePad」は、期限内なら無料で使えます。
- これも直感的なキーボード操作で作業できます。
- 実はこのソフト、複数の音のファイルを扱うものではないんですが、音を合成する機能もついているので簡単なミックス作業でしたら可能です。
それぞれ良いところと悪いところがありますので、あなたの気に入ったものをお使いください。
ぼくは今のところ「WavePad」を使っています。
ソフトウェアの操作性と、ぼくのパソコン環境との相性を考慮したら、WavePadになりました。
あなたも自分にあったものを探してみてください。
一応書いておきますが、これらソフトウェアを使っても、スクリーンリーダーでは思った場所で音をミックスすることは難しいです。
しかし、同時に音を再生させるぐらいならできたりします。
なので、タイミングが合うように休符を入れるなどして修正すればなんとか形になります。
サンプルとして、初音ミクでABCソングを作ってみました。
ぼくはひたすら休符を入れてタイミングを合わせましたが、もっと良い方法などありましたらご教授していただければうれしいです。